構造設計一級建築士定期講習
私たちが設計する際に必要となる資格に「構造設計一級建築士(以下、構造一級)」という資格があります。一般の方には一級建築士がおなじみかもしれませんが、構造一級は、一級建築士の中で、構造に特化した資格です。中規模、大規模の建物は構造一級の資格で設計できるのですが、この資格には3年に一度の定期講習が義務つけられています。
先日、広島にてこの定期講習を受講しました。一級建築士の定期講習も3年に1度ですから、構造一級は3年に2回も講習を受ける必要があるんです。「大変だなぁ」「なんでこんな制度になってしまったんだ~」と思っていたのが正直なところでした。
そんな中途半端な気持ちで広島に向かったのは事実ですが、講習初っぱなから、職業倫理の話が始まりました。設計者はだれも、故意に法に抵触したり、法を逸脱したりする人はいませんが、結果として法に抵触してしまう事はありえると。毎年、建築士の懲戒処分が発表されていることもその理由でしょう。
構造設計をおこなう上では、設計者は建物に生じるすべての力を実情(力学特性)に即して予測することが必要です。「すべての力」「予測」という事が重要です。設計者が様々な状況を「予測(想像)」しながら「すべて」の力を考慮しなければいけないのです。そういう意味で、構造設計者には想像力が必要かもしれません。
講習中、こんな言葉が出てきました。
「自己研鑽の不足による知識の欠如により、故意ではなく、これらに反する行動をとることがある点に注意しなければならない」
「構造設計者は自分の構造設計が完璧だなどと奢ることなく、謙虚でなければならない」
3年に一度ですが、こうした職業倫理についても改めて見直す時間も必要だなぁと感じた講習でした。
まだまだ自己研鑽の日々が続きます。