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木造建築物

木造建築物

近年、建築物の木造化の動きが活発化しています。元々、日本は森林資源が豊富で、日本の建物はすべてが木造でした。しかし、経済成長に従い、建物の大型化、高層化が進み、木材よりも鉄骨、鉄筋コンクリートを主体とした構造物が主流となってきました。
また、戦後、木造建築物が建てられなくなった理由の一つが耐火性能です。ご存じの通り「木」は燃えますが、鉄は燃えません(高温で溶ける事はありますが)。日本の建築物に適用される建築基準法は防火と耐震に主眼を置いた法律なので、その規制をするうえで、木造建築物が造られにくくなっていました。

近年、国土交通省、農林水産省が建物の木造化を推進しています。その目的は地球資源の有効活用を主眼に置いた木材関連産業の推進と理解しています。森林の木材は育つのに50年以上かかり、成長した木は適切に管理して伐採し、新たな木を植樹することで日本の森林は健全に保たれていきます。戦後植樹した木が成熟期になる今の時代に木材の需要を喚起し、森林を適切に保全していくことが地球温暖化、地球資源の有効活用に結びつくことになります。

そんな理由から、最近は中規模の建物でも木造での設計依頼が増えています。昨年後半から木造建築物の設計依頼が立て続けにあり、私自身だいぶ木造について経験する機会が増えました。鉄骨、鉄筋コンクリートと比べ、木造建築物は規模が大きくなると検討する項目や、設計指針を改めて読み直す事が増え、骨の折れる事が多いですが、これも時代の流れと受け止めて日々指針を読み進めながら設計しています。

最近、それらの建物が建て方(骨組みの建設)を迎え、現場現場確認に行ってきました。いろいろと苦心した設計が実物となるのを見るのも我々設計者の喜びの一つです。

末永く、建物が愛される事を願っています。

 

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